マッドリブ、ケンドリック・ラマー「To Pimp A Butterfly」に誘われていた「ラップはパブリック・エナミーのようであるべき」

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マッドリブ(Madlib)は、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)の2015年作『To Pimp A Butterfly』への参加オファーがあったことを明かした。

インタビューを受けないことで知られるマッドリブ。「貴重な時間を浪費するから」というのがその理由だが、フォー・テット(Four Tet)プロデュースによるアルバム『Sound Ancestors』リリースのタイミングで英ガーディアン紙の取材に答えた。

「いまだに信じられない」。ロックダウン中、自宅でインターネットを見ている時にMFドゥーム(MF Doom)の死を知った。「一緒にぶらついていた兄弟」で「ビートの王様」「ヒップホップのモハメド・アリ」と呼ぶドゥームに「誰もが彼から学んでいる」とリスペクトを表した。ドゥームと最後に話したのは「1年くらい前」で、新曲について議論したが「毎年そんな話をしてたけど実現しなかった。彼も自分のことで忙しかったし、俺はあちこち飛び回ってたからね」

2004年の『Madvillainy』に続く「マッドヴィラン(Madvillain)」の続編について、ストーンズ・スロウ(Stones Throw)トップのピーナッツ・バター・ウルフ(Peanut Butter Wolf)は「85%完成している」という故人の言葉を紹介。マッドリブによると「完成形なんかじゃないし、デモテープ集って感じかな。ボーカルは録り終えたけど、マッドヴィランたらしめている他の要素を加えてないんだ」。陽の目を見るかについては「ストーンズ・スロウ次第だし、俺には決定権がない」と前所属レーベルの手にゆだねた。

音楽に集中するあまり、徹夜で3日間スタジオに籠ることもあるマッドリブ。外部から遮断するせいで『To Pimp A Butterfly』制作時のケンドリック・ラマーの電話にも気付かなかったそう。「今よりも捕まりにくかったんだ。自分のことで忙しかった。せっかくの機会を逃したよね」。ただし「どっちにしろたぶん上手くいかなかった」。実は「ちゃんとした形で誰かとスタジオに入ったことがない」ということで、フレディ・ギブス(Freddie Gibbs)とも制作中にアイデアを交換するだけと語った。

ラマーの実力を認めるマッドリブは「ラップミュージックは今こそパブリック・エナミー(Public Enemy)のようであるべきだけど、そうなっていない」と嘆いた上で、「俺が出てきた頃のような姿であってほしい。俺に影響を与えたリアルな音楽さ。音楽はすべきでないことを教えるものなのに、今の音楽は悪いことばかり教えてる。俺が好きなヒップホップは人間を成長させるものなんだ」と訴えた。

フォー・テットによると『Sound Ancestors』のアイデアが生まれたのは2018年で、ロンドンでレディオヘッド(Radiohead)のプロデューサーであるナイジェル・ゴッドリッチ(Nigel Godrich)たちとディナー中だった。フォー・テットはマッドリブに「ヒップホップやクラブじゃなくて、ジャズやプログレッシブロックみたいなレコードにすべきだ」と言ったそうで、「こういうレコードを作った人はいないんじゃないかな。基本はヒップホップだけど、完璧に独自の地位を占めてる」と自信を覗かせた。

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