ソフィー(SOPHIE)が逝去した。34歳だった。
所属レーベルTransgressiveとマネージメントを担当するFuture Classicは、連名で「私たちの美しいソフィーが今朝、痛ましい事故によりこの世を去るという悲劇がありました。自らの魂に正直な彼女は、満月を見ようとして足を滑らせたのです。彼女はこれからも私たちとここに居続けます。ご家族はみなさんの愛やサポートに感謝し、このむごたらしい時間においてプライバシーを尊重してくださることを望んでいます」との声明を発した。
— Transgressive (@transgressiveHQ) January 30, 2021
また「ソフィーは新しいサウンドの先駆者であり、過去10年でもっとも影響力のあるアーティストのひとりでした。それは独創的な制作手法と創造性だけでなく、メッセージと目に見える形によっても達成されました。解放のアイコンでした」というコメントを寄せている。
スコットランド・グラスゴー生まれのソフィーはギリシャのアテネに在住しており、30日4時ごろ不慮の事故により帰らぬ人となった。
2010年代初めにクラブシーンに登場したソフィーは、2013年にリリースしたシングル「Nothing More to Say」と「Bipp」がDJやクリティックから高く評価された。2014年にPC Music 創設者のA.G.クック(A.G. Cook)と出会い、陶酔感のあるアヴァンポップに舵を切る。2015年のコンピレーション『PRODUCT』に収録された「Just Like We Never Said Goodbye」を経て、2018年にはデビューアルバム『Oil of Every Pearl’s Un-Insides』を発表。同作は年間ベスト作品のひとつに挙げられ、翌年のグラミー賞では「ベストダンス・エレクトロニックアルバム」にノミネートされた。
ポップミュージックに対するソフィーの貢献は、多くのコラボレーションがもたらした。その範囲はマドンナ(Madonna)、ヴィンス・ステイプルズ(Vince Staples)、チャーリーXCX(Charli XCX)からレッツ・イート・グランマ(Let’s Eat Grandma)、キム・ペトラス(Kim Petras)、安室奈美恵にまで及ぶ。トランスジェンダーとしても積極的に発信し「トランスであることは心と体が協調できるようにコントロールすることで、それらがぶつかり合うのではなく、ともに生きていくためにある」と語っていた。
ソフィーの訃報に、クリスティーヌ・アンド・ザ・クイーンズ(Christine and the Queens)は「彼女はアーティスト、また女性として絶対的な勝利を収めることによって、狭く規範的な社会に抗った。彼女が亡くなるなんて信じられない。私たちは彼女の記憶と遺産に敬意を払い、顕彰しなくてはならない」とツイートし、その死を悼んでいる。
Sophie was a stellar producer, a visionary, a reference. She rebelled against the narrow, normative society by being an absolute triumph, both as an artist and as a woman. I can’t believe she is gone. We need to honor and respect her memory and legacy. Cherish the pioneers. pic.twitter.com/3kyRl1KabY
— Chris (@QueensChristine) January 30, 2021